先に結論を言うと、農業用遮光ネットを活用すれば農作物の高温障害や作業する人の熱中症対策ができます。
農業用遮光ネットでは、黒、白、シルバーの3色が主流ですが、一部の製品には青や赤のネットもあります。
農作物や設置場所の気象条件に応じて適切な農業用遮光ネットを選ぶことで、質の高い農作物を育てることが可能です。
そこで今回は、農業用遮光ネットについて以下のことがわかる内容になっています。
- 農業用遮光ネットの効果とメリット
- 農業用遮光ネットと遮光シートの違い
- 農業用遮光ネットの色と編み方・織り方の種類
- 農業用遮光ネットを選ぶ時のポイント・注意点
- 遮光ネットおすすめ8選
「農業用遮光ネットにはどんな効果があるの?」
「農業用遮光ネットの種類について知りたい!」
このような方に役立つ内容になっているので、ぜひお役立てください。
農業用遮光ネットの3つの効果とメリット
暑い季節に農作物が枯れてしまうことがありますが、これは強すぎる日差しが原因の可能性があります。
強すぎる日差しを遮るためには、農業用遮光ネットがおすすめです。
1.農作物の高温障害対策
日差しが強い時期になると、農作物がしおれてしまったり、葉が部分的に変色して枯れてしまったり、実の表面が硬くなってしまうことがあります。
これらの症状は、農作物の高温障害かもしれません。
農作物に限らず植物の多くは、50℃前後の高温にさらされると葉焼けなどの高温障害を起こすと言われており、特に夏場のハウス内は高温障害が起こりやすくなります。
植物には大きく分けて「嫌光性植物」と「好光性植物」の2種類が存在していますが、そのうち嫌光性植物は発芽のときに光の影響を受けるので、覆土を厚くするなどの遮光対策が必要です。
日陰を好む植物が長時間直射日光にさらされてしまうと、高温障害をおこしてしまいます。
高温障害の原因としては、高温によって光合成がうまくできなくなったり、呼吸が過剰になり植物自体が消耗してしまったり、植物の代謝異常によって起こるいろいろな障害の影響などがあります。
その他にも、土壌の水分が過剰だったり逆に乾燥している状態で高温になると根がダメージを受けてしまい、その影響で葉や茎が萎れたり変色や変形してしまうこともあります。
植物自体だけではなく、土壌の状態や高温によって誘発される病害虫などさまざまな要因によって高温障害は引き起こされてしまいます。
農業用遮光ネットを活用することで、太陽の光を遮光して高温を避けることができるので、農作物の高温障害をあらかじめ防ぐ効果が期待できます。
2.発芽や育苗の日差し対策
強すぎる日差しは、作物の発芽や育苗にも猛威を振るいます。
秋冬に収穫する作物の場合、夏が種まきの時期になってしまうので特に注意が必要です。
せっかく発芽しても、暑さで株が焼けてしまったり、土壌が高温になり過ぎて水分不足状態や雨の影響で土が締まって硬くなってしまったりすることによって、発芽不良や発芽しないということになりかねません。
遮光ネットの使い方としては、遮光したい作物が植えられた場所を遮光ネットで覆って日陰に入っていれば大丈夫です。これは農業用ビニールハウスでの施設栽培でも畑などの露地やトンネル栽培でも共通です。
ただし1点注意しなければいけないのが、日差しが無い時や気温が低い時などは、遮光ネットをかけたままにせず外すことです。かけっぱなしにしてしまうと、光が不足してしまったり地温が低いままになってしまい逆効果になってしまいます。
発芽や育苗で失敗しないためにも、遮光ネットを上手に活用して日差しや地温の調整を行うことが大切です。
3.遮熱効果
遮光ネットのなかには、光を遮る効果だけではなく、熱線を反射して温度上昇を抑える遮熱効果をもつタイプもあるので、夏場における地熱の上昇やハウス内の温度上昇を抑えることができます。
光を遮っても温度を上昇させる熱線を遮らなければ、地熱が高くなりすぎて農作物の根を傷めてしま恐れがありますし、ハウス内で作業する人が熱中症になるリスクもあります。
真夏の高温期は、農作物だけでなく作業する人の環境にも配慮するためにも、遮熱効果のある遮光ネットを活用することをおすすめします。
その他の遮光ネットの効果
農業用遮光ネットは農作物の高温障害を防ぐ効果や作業環境に配慮する目的だけではなく、ベランダや窓からの強すぎる日差しを遮るのにも活用することができます。
農業用遮光ネットは遮光率の種類も多く、遮光性と耐久性に優れているので、特に日当たりの良いベランダや窓におすすめです。
その他にも、太陽の光を遮ることで家具や畳などの変色を防ぐこともできますし、外から家の中を見られたくない方は目隠し用途としても遮光ネットを活用できます。
農業用遮光ネットと遮光シートとの違い
「遮光目的であれば、農業用の遮光シートでもいいのでは?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
確かに遮光シートも光を遮ることができますが、農家さんが農業用遮光シートを選ぶ理由があります。
遮光ネットのほうが通気性が良い
農作物を育てるうえで大切なのは、水やりや肥料の他に、健康な土壌や環境を保つことが重要です。
特に通気性が悪いとムレたり土壌に酸素が十分行き届かなくなってしまい、農作物が病気になったり根に栄養が供給されなくなってしまいます。
これによって農作物が弱ってしまい、最終的には萎れたり根腐れを起こしてしまう恐れがあります。
農家さんが農業用遮光ネットを選ぶ理由として、網目によって通気性が確保され生育環境に良い影響を与えるからです。
遮光シートも設置方法を工夫すれば通気性を保つことができますが、遮光ネットのように網目がないので通気性を確保するのが難しいというデメリットがあります。
遮光ネットのほうが適切な遮光率を選べる
遮光率 | 特徴 |
99.99%以上 | 人の顔や表情を識別できない |
99.80%以上、99.99%未満 | 人の顔や表情を識別できる |
99.40%以上、99.80%未満 | 人の表情を識別できるが、デスクワークはできない |
遮光シートは遮光率が99%を超える1級遮光のものがラインナップされていますが、農業用遮光シートの場合、最も高い遮光率でも98%程度になっているところがポイントです。
前述したように、農作物の生育には適度な光が必要になるので、農作物によって異なりますが草木で40〜60%、屋外で管理する場合でも60〜80%の光が必要になります。
- 野菜類…遮光率20〜50%
- 鉢花・アスパラガス・イチゴ…遮光率30〜70%
- 観葉植物・キノコ類・かぶせ茶…遮光率50〜90%
上記のように、育てる農作物に応じて必要な遮光率が異なります。
そのため遮光ネットのほうがほどよい遮光率を選ぶことができるわけです。
しかし、暗所で育てる必要があるウドやホワイトアスパラガス、チコリなどの場合は、遮光ネットよりも遮光シートのほうが適していることもあります。
育てる農作物に応じて、遮光ネットか遮光シートを選ぶといいでしょう。
農業用遮光ネットの色の種類と効果
農業用遮光ネットは、大きく分けて黒、シルバー、白の3種類の色にわけられています。
他にも特定の農作物専用の青いネットや赤いネットなどもありますが、入手しやすく汎用性の高い黒、シルバーが一般的で、最近では夏の暑さが厳しさを増していることから白のタイプも増えてきました。
遮光率が充実している農業用遮光ネットですが、ネットの色によって遮熱効果が変わってくるので、作物や目的に応じて選ぶことが大切です。
遮光性重視なら「黒」
黒い色は光を吸収する色なので、遮光性に優れています。
しかしデメリットとして、紫外線や赤外線も吸収してしまうので、遮光ネットそのものが熱を持ちやすいため、遮熱効果は他の色よりも劣ります。
そのため風通しの悪い環境で黒い農業用遮光ネットを使用すると、熱がこもって高温になる可能性が高いので、黒以外の遮光ネットを使用したり換気を良くする必要があります。
遮光はほどほどに、遮熱性重視なら「白」
白い色は光を反射する色なので、遮光だけではなく遮熱効果も期待できる一石二鳥の農業用遮光ネットです。
しかし、黒色の遮光ネットと比べると遮光効果はそこまで高くないというデメリットがありますが、一方で光を反射する色の場合、遮光ネットで覆っても内側が比較的明るい環境にすることができるというメリットもあります。
強い光は遮りつつ発芽に必要な光は確保できるので、幼苗期などにおすすめです。
黒と白の中間的な役割を期待するなら「シルバー」
「黒色と白色、どちらの遮光ネットか悩んでいる」
「黒色と白色の遮光ネットの良いところだけを取り入れたい」
このような場合は、シルバーの農業用遮光ネットがおすすめです。
シルバーは、黒ほどではありませんが適度に光を遮ってくれ、光を反射するため多少温度の上昇も抑える効果が得られます。
白よりも遮光性も確保しつつ、黒よりも温度上昇を抑えられれば良いということであれば、シルバーを選択すると良いでしょう。
重視する効果 | 色別による効果の優劣 |
遮光性 | 黒 > シルバー > 白色 |
遮熱性 | 白 > シルバー > 黒 |
耐久性 | 黒 > シルバー > 白 |
ハウス内の明るさ | 白 > シルバー > 黒 |
遮光性に関しては、どの色でも遮光率の高いものを選ぶことである程度対応できますが、優先目的が遮熱の場合は、白一択です。
黒とシルバーで悩んだら、どのくらい遮光性や遮熱性が必要かに応じて選ぶと失敗しないと思います。
しかしデメリットとして、シルバーや白の遮光ネットの方が黒よりも価格が高くなります。
農業用遮光ネットをどの色にすべきか悩んだら、優先する効果は何かを考えて選ぶと良いでしょう。
農業用遮光ネットを選ぶときのポイントと注意点
農業用遮光ネットを選ぶ時は、以下のポイントと注意点を意識して選ぶと比較的失敗しにくくなります。
ここまで解説してきたことを踏まえながら、ここからは農業用遮光ネットの選び方の注意点を解説していきます。
1.遮光ネットの織り方・編み方にも注目する
遮光ネットには、定番の3つの織り方・編み方と、それ以外の特殊な2つのタイプがあります。
平織 (対応遮光率:30%~90%)
主な特徴
縦と横方向に糸が交互に交差した最もスタンダードな農業用遮光ネットです。
縦・横共に均一に織られているので形が崩れにくく遮光効果が安定している、摩擦に強く丈夫という特徴があります。
用途も多彩で、遮光ネットの編み方や織り方に悩んだら平織を選ぶと無難でしょう。
※イメージ画像:イノベックス(旧ダイオ化成)カタログより
ラッセル織 (対応遮光率:40%〜70%)
主な特徴
網目を縦方向に連続させて編んでいる遮光ネットで、先ほどの平織と比べて伸びが少なく、目ズレや切り目のホツレが起きにくいという特徴があります。
ラッセル編みの農業用遮光ネットは、収束性が良いことから主にハウス内の日よけ(スライドカーテン)としてよく利用されています。
遮光ネットの中でも価格が手頃で経済的なタイプです。
※イメージ画像:イノベックス(旧ダイオ化成)カタログより
カラミ織 (対応遮光率:30%〜80%)
主な特徴
平織とラッセル編みの両方の特徴を併せ持つ農業用遮光ネットで、丈夫で目がずれにくく遮光性が安定しており、丈夫で耐久性に優れています。
農業用ハウスの外張りや、スライドカーテンにも使われている遮光ネットです。
※イメージ画像:イノベックス(旧ダイオ化成)カタログより
平織融着 (対応遮光率:10%〜85%)
主な特徴
前述の平織の遮光ネットと同様、縦と横方向に糸が交互に交差した織り方ですが、縦糸と横糸の交差部分が熱融着(熱で溶かして接着)されているので、縦横斜めどこでカットしてもホツレてこないのが特徴です。
また平らでシートのようなネットなので、軽量でハウス部材へ引っ掛かりにくく作業性に優れることから、ビニールハウスの屋根にかける遮光ネットとして重宝されています。
カラミ織融着 (対応遮光率:30%~90%)
主な特徴
前述のカラミ織と織り方は同じですが、縦糸と横糸の交差部分が熱融着されているのが特徴です。この製法の製品は当店でも『スリムホワイト』という製品1つのみで非常に特殊なタイプの遮光ネットです。色は白のみとなります。
融着されているのでホツレや目ズレがなく、丈夫で耐久性にも優れております。
このように農業用遮光ネットには5種類の織り方・編み方のものがあり、それぞれに特徴があるので、目的に応じて選ぶようにしましょう。
2.作物や用途に合った遮光率を選ぶ
作物によってどの程度の遮光率のものを選べばいいのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。
また色によっても使用する遮光率が微妙に変わってくるので、以下のような表にまとめてみました。
織り方や編み方だったり、製品によっても遮光率は変わってくるので、一概には言えませんが参考にしてみてください。
用途 | 色 | 遮光率目安 |
軟弱野菜の遮光 | 黒 シルバー ホワイト | 35%~60% 30%~55% 25%~60% |
果菜類の遮光 | 黒 シルバー ホワイト | 35%~60% 30%~55% 25%~60% |
イチゴの遮光 | 黒 シルバー ホワイト | 35%~60% 30%~55% 25%~60% |
花き類の遮光 | 黒 シルバー ホワイト | 45%~60% 40%~75% 45%~70% |
育苗用の遮光 | 黒 シルバー ホワイト | 55%~70% 40%~65% 55%~70% |
しいたけの遮光 | 黒 シルバー ホワイト | 85%~95% 75%~98% 80%~90% |
ハウス内作業用 | 黒 シルバー ホワイト | 85%~95% 80%~95% 75%~80% |
3.気象条件や農作物に応じて使い分ける
農業用遮光ネットは目的や環境に応じて、遮光ネットの色や遮光率などを調整する必要があります。
風の影響を例として挙げると、遮光率が低いネットは、目が粗いので風通しが良く強風でも風が抜けてくれるのでネットが煽られにくいですが、逆に遮光率が高いと目が細かくなるので、風が通しが悪くなり強風でネットが煽られやすくなります。
農作物に応じた遮光率を選ぶことはもちろんですが、気象条件も考慮することも大切です。
必要以上に光が遮られてしまうと農作物が生育不良に陥ることもありますし、その年によっては猛暑日が続く年もあれば、「冷夏」になる年もあります。
年ごとに天候や台風の頻度が異なるので、農作物や気象条件に応じて農業用遮光ネットを使い分けるようにしましょう。
おすすめ遮光ネット8選
おてんとさんオリジナル遮光ネット
農業資材を幅広く取り扱うおてんとさんオリジナルの遮光ネットです。
色は汎用性の高い黒で、遮光率75%、ハトメ付き仕様になっています。
幅は2mと幅の6mの2種類、幅2mの方は長さが5m、10m、30m、50mを用意しているので、家庭菜園や施設園芸の遮光、自宅のベランダやガレージの日よけなど、用途に合わせて選ぶことができます。
幅6mという超広幅タイプは長さが20mのみとなりますが、ビニールハウスなどの遮光におすすめです。
ふあふあホワイトプラス
ダイヤテックス株式会社の製品「ふあふあホワイトプラス」は、その名の通り白色の遮光ネットで、遮光率は30、40、50、60%の4種類。
融着平織なので、どこでカットしてもホツレなくて、非常に軽いので作業性が良いのが特徴。白色なので、熱線を反射し遮熱効果も期待できます。
幅の規格は決まっていますが、長さはメートル単位で好きな長さを指定できるセミオーダー商品です。
またオプションにはなりますが、ハトメ加工やロープ加工、ボタンホール加工など様々な加工も対応しているので、設置場所や用途に合わせたものを作ることができます。
セミオーダー製品の中でも価格が手頃なので、コストパフォーマンスに優れます。
ら~くらくスーパーホワイト
日本ワイドクロス株式会社の製品「ら~くらくスーパーホワイト」は、反射率80%以上の遮熱性に優れたスノーテックスという素材を使用した遮熱効果に優れる遮光ネットです。
色は白系で、遮光率が25%~75%まで10%刻みで用意されており、作物に合わせて微妙な遮光率の調整に対応できます。こちらも融着平織タイプなので、どこでカットしてもホツレず、軽くて作業性が良いです。
幅と長さをメートル単位で指定して注文するオーダー品になります。
オプションで、ハトメ加工やロープ加工、ボタンホール加工など様々な加工も対応しているので、設置場所や用途に合わせたものを作ることができます。
スノーテックスという特殊素材を使用していることもあり、価格は少し高めです。
スリムホワイト
日本ワイドクロス株式会社の製品「スリムホワイト」は、熱吸収がすくないタイベックという特殊素材を使用しており、温度上昇抑制効果が特に高い遮光ネットです。
その効果の高さから、ビニールハウスはもちろんのこと、家庭の窓の日よけや、ベランダやウッドデッキにタープとして使用される方もいます。
またカラミ織融着という構造により、丈夫で耐久性にすぐれるのも特徴です。
色は白で、遮光率は30%~90%まで15%刻みで展開。先の「ら~くらくスーパーホワイトライト」と同様、幅と長さをメートル単位で指定して注文するオーダー品になります。
こちらもオプションで、ハトメ加工やロープ加工、ボタンホール加工など様々な加工も対応しているので、設置場所や用途に合わせたものを作ることができます。
タイベックという特殊素材を使用していることもあり、価格は高めです。
ワイドスクリーン(黒、シルバー)
日本ワイドクロス株式会社の定番商品で愛用者も多い遮光ネットです。
白は黒とシルバーの3色があり、遮光率は25%~90%まで幅広く展開、平織タイプとカラミ織タイプの両タイプがあります。
また他のメーカー製品の場合、ほとんどが幅2mのみなのに対して、ワイドスクリーンは幅が、2m、3m、4m、6mと豊富なのが特徴です。特に超広幅の6mものがあるのは珍しいです。
遮光の他に保温や防霜としても使用できます。
幅と遮光率が充実しており、色と織り方も揃っているので、用途に応じて拘って選ぶことができます。
バロンスクリーンホワイト涼風(白)
小泉製麻株式会社の「バロンスクリーンホワイト 涼風」は、遮光ネットとしても使える多機能・多用途高拡散反射ネットです。
カラミ織なので、目ズレが起こりにくく遮光性が安定しており、丈夫で耐久性に優れます。
遮光率は汎用性の高い50%、60%、70%の3種類ですが、幅が他メーカー製品と異なり、33cm、48cm、2mとかなり変則的です。長さはメートル単位の希望の長さで注文できるセミオーダータイプになります。
紫外線域を含む高拡散反射の特殊な糸を使用しており、ビニールハウスの屋根にかければ遮熱効果の高い遮光ネットになりますし、光を高反射することから光合成促進・色付き効果・小害虫忌避・緩衝マットといった用途としてイチゴの高設肩部や土耕肩部などに使用されています。
他にも畜舎や鶏舎、ゴルフ場、工場や施設の室外機などの遮光・遮熱用途にも活用されております。
ダイオラッセル(黒、シルバー)
株式会社イノベックス(旧ダイオ化成)製品の「ダイオラッセル」も、愛用者の多い遮光ネットの定番商品です。
色は黒とシルバーの2色展開で、遮光率は45%~98%まで10%刻みで揃えられています。
サイズは幅2m×長さ50m巻の1規格のみとなります。(別料金で、希望のサイズにオーダーメイドも可能。)
高密度ポリエチレン素材なので耐候性・耐久性に優れ、ラッセル編のためカットした切り口がホツレないのが特徴です。遮光率が豊富なので、作物に応じて選ぶことができるのも魅力です。
ダイオミラー(銀×黒)
株式会社イノベックス(旧ダイオ化成)製品の「ダイオミラー」は、遮光部分の表面が銀色、裏面が黒で、これまで紹介したものと異なるタイプの遮光ネットです。
遮光率は40%~98%で、サイズは幅2m×長さ50m巻の1規格のみの展開。
表面に遮熱効果に優れたアルミ蒸着テープを採用しており、熱線を反射することで温度上昇を防止し、大切な農作物を守りハウス内の作業環境を最適にします。
先の「ダイオラッセル」は遮光効果のみですが、温度の上昇も抑えたいという方は、遮熱効果もプラスした「ダイオミラー」が良いでしょう。
ラッセル編のためカットした切り口がホツレないですし、ソフトな仕上げで収束性が良いことから、ハウス内のスライドカーテンとしてもおすすめです。
まとめ
農業用遮光ネットを活用すれば、強すぎる日差しを遮ることができるので、農作物の高温障害を防いだり、作業する人の熱中症対策としても役立ちます。
農業用遮光ネットは遮光率も豊富に揃っているので、育てる農作物やその年の気象条件に応じて臨機応変にネットを使い分けることが大切です。
遮光ネットは、遮光性が最も高い黒、遮熱性が最も高い白、黒と白の中間のシルバー、遮光効果と遮熱効果の銀×黒というように、色の違いによって得られる効果に差があります。
また織り方や編み方にも違いによっても、加工性や作業性、収束性などが変わってきます。
さまざまな農業用遮光ネットから「どこで使用するのか」「目的は遮光なのか、遮熱なのか、両方なのか」などを考慮して適切なものを選ぶようにしましょう。